リサイタルが終わったら猫だよ!
と演奏家仲間の後輩(に見えないけれど)に誘ってもらい、新潟市美術館の企画展「もしも猫展」にでかけてきました。
ついでに、別日には新潟県立歴史博物館にも。こちらの企画展は「動物たちの浮世絵展」。
それぞれの展示をいろんな視点で比較できて面白かったです。
「もしも猫展」には、役者絵を得意としていた歌川豊国による役者似顔絵の指南書の解説として、次の文章が添えられていました。
「(指南書により、)役者ごとに似顔の型が決まっていたことが分かる。似ていたかは確かめようがないが、こう描けば誰それであると認識されていたということが重要なのだ。国芳の『猫の百面相』が世に受け入れられるためには、こうした役者の記号化、つまり役者の似顔絵に型があり、そしてそれが広く知れ渡っているという前提が背景にあったといえるだろう」
動物のイメージが共有できているから、余計な説明がなくても伝わる…「型」や「記号化」によって人々に認識されるというのは、浮世絵を含めた絵画に限らず、どのジャンルにも言えることだなぁと考え至りました。
さて、最近は、カーテンコールの撮影・録音が許可(というより推奨?)されているコンサートが増えてきました。
終演後にSNSで拡散される様子も、わりと違和感なく眺めてしまいます。
美術館や博物館も同様に、SNS拡散を目的とした撮影スポットを設置する施設があります。今回訪れた施設は、どちらも撮影スポットがあちこちにありました。
一方で、新潟市美術館はほぼすべての展示品が撮影OK、歴史博物館は版権等の事情で撮影NG、という違いも。
展示品(作品)の適切な管理が第一ではあるものの、各施設のさまざまな工夫を見比べるのも、これまた面白い比較体験でした。