メゾソプラノ中森千春~うた日記~

ドイツ音楽と日本抒情歌が大好きな中森千春のつれづれ日記♪

花屋にて

先日のリサイタルにて、たくさんのお客様より花束などの贈り物をいただきました。
その中で、ひときわ目を引くある花籠がありました。
私が指導している合唱団が用意してくださったものですが、バラやカーネーションなどのよく知られた花に混じって、不思議な形の花が生けてあったのです。

後日、近所の花屋さんから「ピンクッション」と教えていただきました。
こんな形の花です。(無料サイト「写真AC」より拝借)

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その名の通り、裁縫道具のピンクッションに似ていることから名前が付いたそうですが、大きく開いた様子は花火のようにも見えます。
私は花の名前や種類に疎いのですが、わりと有名な花?なのでしょうか。

せっかくいただいた花なのに、花籠の中で特に目立っている花なのに、名前を知らないなんてさみしい!
と思い、写真を撮って花屋さんに伺いました。
(名前を知らないのに、ネット検索できるわけもなく、本で調べるにも我が家に花の図鑑はなく、専門家に聞くのが一番、と思った次第です。)
花屋の店員さんに写真を見せると、冷蔵ケースに納められていた現物を紹介してくださり、さらにはポケット事典まで出して花の種類を細かく教えてくださいました。
名前だけ分かればそれでいい、くらいの気持ちでいたので、そのスマートな対応がとても気持ちよく、とても嬉しく感じました。



こういう対応、以前もあったような...と思い出したのが、学生時代に経験したCDショップでの一コマです。
当時、作曲家レーヴェの作品について研究していた私は、彼の作品を収録したCDを求めて都心の大きなCDショップに行きました。
そこのクラシックコーナーにいた店員さんと、

私「レーヴェという作曲家の...」
店員「ああ、レーヴェですね!」
私「○○という作品の...」
店員「ああ、それはなかなか音源がないんですよね」
私「全集以外で、何かCDはありませんか?」
店員「今調べてみますので、お待ちください」

というやりとりがありました。
シューベルトシューマンに比べるとマイナーと言われても仕方がないような作曲家。
おずおずと切り出したのに、対応してくださった店員さんはちゃんとご存じでした。
そして、お待ちくださいと言いながらもパパッと調べてくださり、とても丁寧で早い対応をしてくださったことに感動したのを覚えています。
東京はすごいなぁ、とも思いました(笑)



図書館司書のレファレンスしかり、専門店しかり、こういう専門性を生かした対応は本当に大好きです。
その道の専門領域にちょっと触れる瞬間、その体験を大事にしたいと思ったひと時でした。