寒さでなかなか咲かないと思っていた桜も、気づけば満開を迎えて高田の観桜会も終わってしまいました。
何かを待つのは長く感じますが、過ぎてしまえば本当にあっという間ですね。
春の桜といえば満開の風景をよく取り上げられますが、個人的には、蕾がぷっくり膨れて色づいてきた頃や、桜が散って葉桜の鮮やかな色が見え始める頃など、満開でないときの景色が好きです。
ちょっと変わっているのだと思います(笑)
そんな桜を詠んだ言葉の中に、「花筏(はないかだ)」「桜しべ降る」といった美しい季語があります。
花筏は、高田のお堀や川岸に咲く桜によって作られるような、花びらの景色。
水面に浮かぶ桜の花びらをこのように美しい言葉で表現した、いつかの昔の日本人はすごいですね。
「桜しべ降る」という季語は、数年前にあるテレビ番組で知りました。
花びらが散ったあと、雄しべと雌しべと萼(がく)などがくっついたまま地面に落ちた、その風景を表した言葉なのだそうです。
葉桜になる頃、足元に広がる赤みがかった桜しべ。
その「桜の名残」までをも季語にしてしまう感性が、面白いと感じました。
なかなか一句を詠む(生み出す)ほどのアウトプットスキルは持ち合わせていませんが、それでも様々な美しい日本語に触れて、その言葉が表す情景や心情、語感などには敏感でありたいと思っています。
GWが近づき、だんだんと色鮮やかな風景に出会えるようになってきました。
言葉や色、肌で感じる様々な事象をすんなり受け止められるよう、日頃からアンテナを張り続けたいと思います。
chiharu-rosina.hatenadiary.com