年末年始の時間があるときにぱぱっとまとめてたくさん読もう。
と、いつもいつも計画を立てるのですが、なかなか計画通りにまとめ読みができたためしがありません。
まとめて読もうとする冊数が多すぎるのだとは、分かっているんですけど。
この本は、その2冊目にあてがったものです。
SNSで知って、気になって、買ったはいいものの居間のテーブルの上にずーっと置きっぱなしで。そろそろ読もうと手を伸ばしたのが、年の瀬のある休日。
結局年内に読みきれなくて、年をまたいでようやく読了。
ふう。
ページ数と内容からして、本当に「ふう。」でした。
主として民俗学的な視点で論じられていて、つまりは引き合いに出される学問や思想もいろいろで、普段読まない着眼点と文体に体力を使いました。
特定の文体に慣れると、その類の文章は読みやすくなる一方で、「読みにくい本」「読み進むのが難しい本」が増えるのも悩みどころ。時間と心に余裕がある時は、なるべく広い視野で選書する癖を...つけようと努力しています。
さて、この本。最終章が、著者曰く「宮崎駿とドストエフスキーを並べて論じる試み」だったのですが、個人的にはこれが一番面白かったです。「ポリフォニー小説」に対して「ポリフォニー・マンガ」。なるほど。
読むのに時間がかかった一番の理由は、書籍内の使用フォントに違和感があって気になってしまったから。
原作漫画からの引用文(台詞)のフォントが特徴的で、読み終えるまでその違和感が続いてしまい、なかなか読むテンポが定まらずに苦労しました。
漢字と記号はゴシック体で、仮名は明朝体。
なんだこりゃ。
不思議に思って調べたら、しばらく前から漫画の世界では習慣化されているようです
試しに手元にあるコミックを何冊か開いてみたら、ほとんどの作品の吹き出し内がこのフォント表記になっていました。
へえぇ~
気づかなかいものですね。
漫画作品からの引用、狭義としては「吹き出し内からの引用」が分かるように、という表記分けだったのですね。
…とはいえ、それが分かったからといって読む速度が上がるわけでもなく。
結局まるまる2週間かかりました。
こういう発見も、読書の醍醐味。
これでようやく積ん読タワーが2cm低くなりました(笑)
ま、そのうちグググと高くそびえるんですけどね。