今年は、三つの抒情歌講座を開いています。
《4月》~コーラス~抒情歌をうたう|上越教室|新潟日報カルチャースクール
先日、第1回目を無事迎えられ(ある程度の人数が集まらないと開かれないこともあるそうで...)、ほっと一安心したところです。
抒情歌講座というのは、この時代特に珍しいものでもなく、あちこちのカルチャースクールのほか、大手音楽教室でもシニア向けの講座が開かれています。
運動するほどではないけれど、何か健康にいいことをしたい。
歌うのが好きだけど、楽譜とにらめっこしながら難しい歌を歌うのはちょっと...。知っている曲を楽しくのびのびと歌いたい。
というニーズに答えてのことだと思います。
私はそのニーズに答えつつ、隙間産業、いわゆるニッチの要素を抒情歌講座に取り入れています。
前回のブログで「強みと弱み」について書きましたが、私にとっての「強み」を、私のオリジナル要素を、この抒情歌のニーズと掛け合わせられないだろうか。
そう思っていろいろ考えてみたのが、去年のこと。
私の抒情歌講座は、ニーズに答えた講座でもあり、同時に「ニッチ講座」でもあるのです。
私の「ニッチ」、それは「歌詞」。
行間を深読みすることまではしませんが、歌詞のどこからどこまでが一文なのか、言葉の係り受けの関係を確認したり、省略された接続詞や助詞を確認したり、そうした「歌詞の確認」を丁寧に行っています。
また、季節の歌であれば歌詞から季語を書き出したり、時代によって歌詞が改訂された歌(唱歌など)であれば、数種類の歌詞を歌い比べたり、そうした「大人目線」の歌い方をアプローチしています。
せっかく新潟日報カルチャースクールで講座を持たせていただけるのだから、ほかの講座ではやらないことを始めたい、と企画の段階から考えていました。
時間のある限り、とにかくたくさん歌う、という講座もあるでしょう。
ヴォイストレーニングに特化して、呼吸法や発声法を丁寧に行う講座も、もちろんあるでしょう。
「抒情歌」というニーズの中に、「歌詞」という私らしいニッチを取り入れることで、ほかの講座との差別化をはかっていきたい。その想いから、講座の紹介文には「詩の情感を味わいながら歌う講座です」と載せています。
カルチャースクール初回の帰り際、ある受講者さんから「子供の頃は意味も分からず歌っていたけれど、こうしてじっくり読み解くと、あじわい深いものがありますね」という感想をいただきました。
私なりのこだわりが初回で伝わったこと、そしてそれが好感触だったことが、とても嬉しかったです。
詩の情感を味わう。
これをキーワードにしながら、これからもいろいろなアプローチを工夫していきたいと思います。