メゾソプラノ中森千春~うた日記~

ドイツ音楽と日本抒情歌が大好きな中森千春のつれづれ日記♪

出演情報:6/16新潟シューマン協会第3回例会

今月の公演案内(その①)

chiharu-mezzosoprano.hatenadiary.jp

 

新潟シューマン協会第3回例会
2019年6月16日(日)14時開演
内野まちづくりセンター(新潟市) ホール
一般2,000円/学生1,000円

 

 

それなりに近い昔、修論の研究で扱ったのはシューマンの歌曲でした。

私の好きなシューマン。それと知らずに音源を聴いてもシューマンの作品と感じられる、そのシューマンたらしめているのは何なのかを知りたかったのです。

それならば、同じテキストに付けられた歌曲を比較することで、作曲家の作品に共通する特徴がみえてくるのでは。そんな動機で研究を始めた…ような気がします。

もともとシューマン《女の愛と生涯》が好きで学部時代のレパートリーだったこと、そして同じ連作詩に、ほぼ同時代のレーヴェが作曲していること(歌曲集《女の愛》)、などが決め手になり、テキストの韻律分析と旋律分析に主軸を置いた上で両作品を比較することにしました。

 

在籍した大学院独自のカリキュラムで3年間研究に没頭できたため、M3にもなると分析作業そのものにのめり込んでしまい、加えて毎週の声楽レッスンがとても有意義で充実感ある内容(もちろん厳しかった)だったため、”第三者的な比較”としてほかの歌曲集を分析してみたくなりました。
そこで「シューマンたらしめている何か」を見つけたくて取り組んだのが、《女の愛と生涯》と同年に作られた《詩人の恋》。

同じようにテキストの韻律分析をして、曲毎の旋律的特徴、和声的特徴、歌とピアノの関係性など、作品と対峙しました。ゼミの先生のご協力もあり、学内でその成果を演奏発表できたのは貴重な経験でした。

 

今回、新潟シューマン協会で《詩人の恋》を取り上げるにあたり、当時作った資料を引っ張り出してきたわけですが...かなり青臭い分析と解釈が並んでいて赤面モノでした(笑)

ただ、あのときがむしゃらに取り組んだ研究活動のおかげで、資料文献を読み漁る集中力と体力はいまだ現役状態をキープできている気がします。

 

結局のところ、シューマンとレーヴェを比較して、さらにシューマンの作品にたくさん触れて得た結論はただひとつ。

シューマンシューマン

修論は自分が言語化できるレベルでなんとかまとめたけれど、一作曲家の音楽的特徴を表現する最適な言葉を探すのは当然難しいわけです。

 

カーステレオからふいに流れてきた歌曲をすぐさま「あ、曲名知らないけどこれはシューマンね」と認識してしまったことから、これまたふいに大学院時代のあれやこれや(脳内をぐるぐるしていた案件)を思い出してしまい、備忘録的に綴ってみました。


とりあえず、今回は自分の担当曲を時間のある限り深めていきます(今回は全16曲を3等分しての演奏!)。
まだ残席ややあります。皆さん来てね。