合唱団の定例練習。
軽めの体操(ストレッチ)と発声練習をしてから、何かのステージに向けての曲練習をする、というのがよくある流れです。
あちこちの合唱団で、定例練習だったり臨時の特別練習だったり公募合唱団の練習だったり、いろいろな団体のいろいろな練習に関わると、それこそいろいろな話(つぶやき)を耳にします。
最近気になる話題は、発声練習をするか否か、について。
だれそれ先生は発声練習をしてくれないとか、だれそれ先生は発声練習の時間が長いとか、だれそれ先生の発声練習の内容は難しいとか、いろいろ。
第三者的立場で客観的に聞いているうちは「なるほどなー」と参考になることもありますが、きっと私の練習内容もどこかで呟かれているのかもしれません。いいにしても悪いにしても。ひゃあ、です。
ところで、「発声練習」ってなんでしょう。
なんのためにするのでしょう。
以前、ある団体の方から「指導者(前に立つ人)によって内容が違うんですけど」という困惑ムード(汗)に遭遇したときにお話しした内容を、備忘録程度にまとめ直しておきたいと思います。
発声練習は、大きく分けて3つの目的があると思います。
1.雰囲気作り
2.声作り
3.アンサンブル作り
あくまでも、大きくざっくり分けた上での3つです。あくまでも。
1.雰囲気作り
これは、「これから合唱をするよ」「みんなで歌うよ」「あなたも歌うよ」という確認みたいなもの。
それから、日常生活(学校や職場や家庭)から「合唱」という非日常活動へ、脳内スイッチを切り替えるためのきっかけ作り。
特に、公募合唱団などで団内の人間関係ができていなかったり、合唱団に見学の方や新人さんが加わったりしたときは、「自分の声を出す」「相手の声を迎え入れる」といったやりとりに繋がります。
2.声作り
これは、楽器としての身体作り。
日頃から歌いながら生活している人はいないと思います(笑)それこそ、オペラやミュージカルの世界になってしまいます。
普段の話し声から、合唱のための歌い声へ変化させるために。
ある程度の音域を、身体に負担なく歌えるように。
様々なメロディーを、様々な言葉を、より美しく歌えるように。
「自分の声との対話」みたいな行為ですね。
集団ボイストレーニング的内容、とも言えそうです。
3.アンサンブル作り
これは、合唱をするためのトレーニング。
お互いの声を聴きながら、ピッチやハーモニーを整えていく作業。
具体的には、カデンツやカノンなどの練習が含まれます。
特にアカペラ作品を中心に練習する場合、この内容を重視します。
おそらく、1.→2.→3.の順に、かける時間が長くなります。
指導者によっては、これらすべてを丁寧に行うこともあるし、この中のどれかに特化することもあります。その取捨選択には、必ず意図があります。
私の場合、団によって、また本番直前か否かによって内容を変えていますが、基本的なパターンは同じ。
その日予定している練習内容にスムーズに移行できるようなメソッドを構築したいなぁと、最近常々考えています。
これがなかなかうまくいかないけれどね。