前回の掲載文の続きです。
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前回は、発声練習の目的についてまとめてみました。
合唱団の中には、発声練習をしない団もあります。特に最近は「しない団体」が増えてきたような気がします。あくまでも見聞きした範囲内での話ですけどね。
私が関わっている合唱団にも、「しない団体」があります。
絶対しないわけではなく、必要に応じて(団員からのリクエストがあったときや、本番ステージの直前など)行います。基本的には、しません。
合唱経験者が多かったり、ソルフェージュの平均スキルが高かったり、開始時刻の集まり状況がいまいちだったり、そういう様々な事情が重なったときに限り(かなり限定的だなぁ...)、実際の楽曲練習を通してウォーミングアップを行っています。
これは、歌っているうちに人が増える、という現実的な理由がある一方で、ハミングや母音唱など様々な歌い方をするうちにフレージングが整ってくる、という効率性も重視しています。
逆に、普段はウォーミングアップとして発声練習を丁寧に行っている合唱団の中で、本番ステージの直前はほとんど「しない」という団もあります。
集合した時点で「早く歌いたい」「早く合唱したい」という雰囲気が充満しているときは、すぐに楽曲演奏のリハーサルへ移行してしまいます。その方が、本番に合わせた調整を各自が冷静にしてくれるとふんでいるからです。
合唱団には、長らく指導を担当していた方のスタイルが伝統として定着します。
部活動やサークルから派生したOBOG系合唱団であれば、学生時代のルーティンがそのまま残っているだろうし、創団当時のメンバーがたくさん在籍している合唱団であれば、はじめに携わった指導者のノウハウがその後の伝統になると思います。
せっかく声をかけていただいて、せっかくその団体の将来に関わらせていただくのだから、目的を共有しながらの練習空間を作っていきたいと、最近考えています。