メゾソプラノ中森千春~うた日記~

ドイツ音楽と日本抒情歌が大好きな中森千春のつれづれ日記♪

合唱講習会

先日、久比岐野合唱連盟(上越地域独自の連盟)が主催する合唱講習会がありました。講師は、大志万明子先生。とても勉強になりました。

ここ数年は、合唱作品を課題曲として歌い込み、作曲家をお招きしての「合唱演奏」講習会でしたが、今回は「発声」の講習会。事前の練習がいらない分、例年より参加者が多いような気がしました。うーん...それはそれでどうなんでしょう(笑)

実際の楽曲を用いないということで、かなりストイックな内容になるかなぁと予想していましたが、内容盛りだくさんの講習会でした。午前の90分があっという間で、午後の120分もあっという間。アプローチの根拠が明確だし、その引き出しの多さが感嘆ものでした。

 

関心をもったのは、母音を揃える方法。i母音とe母音が苦手、という参加者からの相談に対して、口の形や舌の位置を具体的に提示しつつ、一つの母音でいろいろな深さ(浅さ)を作り出す練習方法も紹介していただけました。同じ日本語でも、曲のジャンルによって、曲調によって、歌詞の言葉によって、その母音の質は変えてもいいし、むしろ変えることによって表現の幅が広がるのはナルホドと思いました。

また、指導者目線でいちばん為になったのは、女性が男性にファルセットを教える方法。具体的には、ファルセットがどういう発声かなんとなく分かるけど自分にはできない、と思っている合唱人へのアプローチ。男性指導者による指導は何度か見たことがありましたが、女性指導者によるものは、そういえば初めてでした。私も合唱指導で応用できそう。

 

後日、自宅レッスンで教えている生徒さんにいくつかの練習方法を試したところ、高音の伸びがよくなったり、ピッチが安定したり、いいこと尽くめでした。

同じ効果を求めるにしても、人によって、また状況によって、そのアプローチは異なります。身体の使い方を基本としつつ、言葉の引き出しをたくさん増やしていきたいものです。