アルフォーレ(柏崎市文化会館)で開催された、チェリスト横坂源さんのリサイタル。
図らずもスケジュール調整ができてしまい(仕事キャンセルにより)、急遽でかけてきました。
いちばん後ろの隅っこの席に座りましたが、まるで目の前で弾いているかのような臨場感。
アルフォーレは、どこで聴いても音そのものを味わえる素晴らしいホール。
プログラムは、新しく発売されたアルバム収録曲を中心に、メンデルスゾーン、シューマン、フォーレ、ショパンと続きました。
総じて、“cantabile”はかくあるべし、という演奏でしたが、特にシューマン「アダージョとアレグロ」の哀愁漂う歌いかたに惹かれました。
一方で、フォーレの小品5曲の配置(曲順)は意外性があり(個人的な好みと違うという主観的な意味での”意外性”です)、どうしてこの順にしたのか、その意図を探りながら聴くのも面白い体験でした。
ところで、コンサートの感想というのは人それぞれで、その人独自の着眼点や価値観が色濃く反映されるものです。
今回、私は、指導している合唱団の演奏会を控えていることから、客席への音の伝わり方(響き方)を意識していました。
また、作曲家、楽曲、年代に応じた奏法・表現の工夫がみられる場面では、その意図をくみ取りながら聴いていました。
同じ会場に居合わせた知人は、「チェロとピアノのバランスがよかった」「ピアニストが合わせているのを感じられた」と言っていました。おそらく、日頃アンサンブルの音量バランスを強く意識している方なのだと思います。
別の方は、「いつもと違う客層だった」「市外からたくさんの人が来ていたのでは」と危惧していました。客席数を減らしているとはいえ、大ホールに集まった顔ぶれをチェックできる“観察眼”はすごいと思いますが…さすがにこれは根拠不明です(汗)
誰かの演奏を通して感じることは、普段自分が意識していること。
どんな感想を持つのかによって、今自分が課題としていること、大切にしていることを再確認できるのではないでしょうか。
そのことを改めて実感したリサイタルでした。